革コン!2018
受賞者インタビュー

TLF 東京レザーフェア

プロダクト部門 最優秀賞

作品名「ひみつの思い出帳」

村田 裕哉

(仲座裕哉氏・村田麻里子氏)

最優秀賞を受賞した今のお気持ちをお聞かせください。

とても嬉しいです。
昨年も賞を受賞させていただいたのですが、その時は優秀賞と佳作でした。
今回は2人で協力して最優秀賞をいただけたので、喜びもひとしおです。

イタリア「リネアペッレ」で楽しみにしていることは?

色々な種類の革を見ることができるので、革好きとしてはとても楽しみです。
日本にはない革の加工もあると思うので、そういった点も重点的に見ていきたいです。

革コンに応募しようと思ったきっかけはなんですか?

もともと、制作系の学校に通っていたのでそこで革コンの存在を知りました。
私たちは同級生で、ちょうど2人で作品を作ろうかと話をしていたのでタイミングがバッチリでした。(笑)

他の方の作品で気になるものはありましたか?

「バベルブーツ」が気になりました。
すごく格好よくて、完成度も高いなと思いました。あそこまで綺麗なグラデーションカラーを出すには、相当な染色技術がないと難しいと思います。

東京レザーフェアはどうですか?

色々な革を見ることができるので、純粋に楽しいです。(笑)
今回はまだ来たばかりで見て回れてないのですが、毎回新しい情報をキャッチできるのが楽しいです。
革だけでなく、靴のパーツや様々なヒールを見たりするのもすごく勉強になります。

それでは、今回の作品についてご紹介ください。

今回作った作品は、昔の書物の「和綴じ」と封筒の留め具がベースになっています。
前々から、靴底をメモ帳のようなデザインにしようという案は、お互いの中でありました。
そこでメモ帳を留める「留め具をどうしようか」となった時に、彼女の方から「こんなものがあるよ」と和綴じや封筒の留め具が出てきたのがきっかけです。
日本人なので、日本人らしさを作品に出せたらいいなと思いました。

製作中に苦労したことやこだわったことは?

革が白く汚れやすいので、いかに汚さずに綺麗に作るかが難しかったです。
今回使用した革は、クラストレザーと言って染色していない革を使ったので、手汗なんかでもすぐに変色してしまい、かなり気を使いました。
ただ、変色することが悪いということではなく、変色さえも経年変化として作品のテーマである「ひみつの思い出帳」というタイトルに合った作品になったと思っております。

お二人にとってのレザーの魅力などありますか?

《仲座》作品を作るにあたり、著しく変化を見せてくれるという点が魅力的です。
まるで、一緒に生きているかのような感じがします。
《村田》革靴は、手入れをすれば長く愛用できます。また、革は動物の副産物でもあります。人と動物が共存しているような感じがとても好きです。

今後のモノづくりやクリエイティブな活動についての夢や目標はありますか?

またこのようなコンテストに靴を出してみたいなと思います。
コンテストがきっかけになって、ゼロから新しいデザインが生まれて、その経験が仕事に繋がっていけばいいなと思います。

和綴じに日本の良さを感じ、そこから靴へ変身を遂げた『ひみつの思い出帳』は、2人だからこそ生まれた作品だと言えます。純粋に革を楽しみ、新たなデザインを考案し続けるお2人から今後も目が離せません。

作品名「ひみつの思い出帳」

応募コメント 「どんな時も身につけている靴に、ふとした瞬間に書きとめておきたい思い出を記せるメモ帳を融合させてみました。手ぶらな時も人生の貴重な一瞬をひろい集めるようなイメージで、フェイスの留め具を封筒のモチーフにしてこの靴をデザインしました」

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