革コン!2018
受賞者インタビュー

TLF 東京レザーフェア

クリエイティブ部門 最優秀賞

作品名「金継ぎ」

孫 静

最優秀賞を受賞した今のお気持ちをお聞かせください。

とてもびっくりしました。
それ以上に嬉しくて、「本当に?夢じゃないのかな!?」って思いました。
周りの友達や学校の人たちはほとんどの人がデザイン画を描けますが、私は大学に入ってから初めて描き始めたので、デザイン画に自信がなかったのですが、自信がなかったからこそ、クリエイティブ部門で受賞できたことが嬉しいです。
実は、プロダクト部門にも応募しました。地球温暖化をテーマにした作品で、プロダクト部門の方が賞をとれるかな?と思っていたので、まさかの結果でした。(笑)

革コンに応募しようと思ったキッカケを教えてください。

もともと、服飾や造形を勉強しているのですが、小物や雑貨のコンテストに応募してみたいなと思って応募しました。
コンテスト自体が初めてだったので、まさか賞をいただけるなんて思っていませんでした。

他の方で気になる作品はありましたか?

「伸縮バッグ」が面白いなと思いました。
自分の好みだということもありますが、純粋に発想が面白いなと思いました。

東京レザーフェアはどうですか?

今回、初めて訪れましたが思ったよりイベントが大きくて、華やかな印象を受けました。
これから各ブースを見ていくので楽しみです。

それでは、作品についてご紹介ください。

金継ぎは、茶碗が欠けたりした時に、金色の粉を用いて修復していく昔の技術です。文化ではありますが、私にとっては芸術品のように見えました。
金継ぎで修復することによって、元の状態よりも良い状態に生まれ変わるところが魅力的だと感じました。
金継ぎでしか表現できない、特別な美しさを作品で表現したいと思い、今回製作しました。
また、壊れるということは必ずしも悪いことではない、完璧ではない美しさがあるということが伝われば嬉しいです。

あなたにとってのレザーの魅力などありますか?

他の素材よりも上品で高級感のあるところが魅力的です。
造形の幅が広いところも素敵ですね。

今後のモノづくりやクリエイティブな活動についての夢や目標はありますか?

装苑賞に応募していて、一次審査を通過しました。今後、二次審査があるのでドキドキしています。
装苑賞にも、昔の文化を取り入れた作品を提出しました。日本に来てから、ますます昔の文化が好きになり、作品に落とし込むようになりましたね。
昔の日本らしさが残っている浅草とか大好きです。

とにかく昔の文化が好きという純粋な思いが『金継ぎ』を誕生させたように感じました。違った国の文化の美しさを感じ取り、その良さを知ってほしいという孫さんの愛がたくさん詰まっています。今後も孫さんらしさを大切にした作品づくりが楽しみです。

作品名「金継ぎ」

応募コメント 「金継ぎとは割れや欠け、ヒビなどの陶磁器の破損部分を漆によって、接着し、金などの金属粉で装飾して仕上げる修復技法である。破損部分を漆で修復した痕跡は縄文土器にもみられます。歴史が長いです。金継ぎに芸術的な価値が見いだされるようになった文化財に指定されたり、骨董として、珍重されたりする金継ぎ陶器もあります。それに影響されて金継ぎの美しさは不完全なこと、つまりわびさびの考え方に影響されて、作品をデザインして間違ったり、直したり、成長中、不完美な私たちの美しさを表現しました」

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