第12回 革のデザインコンテスト2022 in 東京レザーフェア
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革のデザインコンテスト2022
in 東京レザーフェア

受賞者インタビュー

クリエイティブ部門・プロダクト部門、
両部門の最優秀賞受賞者のインタビューを公開いたします。

阿部剛丸 氏

優秀賞を受賞されたデザイン画は、職人によって製品化

クリエイティブ部門

最優秀賞

「DRIP BAG」

阿部 剛丸(アベ タケマル)氏

受賞した今のお気持ちをお聞かせください。

今回の賞で一番楽しみにしていたのは、私がおこしたデザインを職人さんが作ってくれると言うことでした。なので、作ってくれるのを想定しながらデザインを考えて、図面もなるべく作り手に分かりやすいようにおこしたつもりだったので、それが叶って、率直に嬉しいです。

作品についてご紹介ください。

『DRIP BAG』が作品名なのですが、まんまコーヒーのドリップバッグの形をバッグのデザインとして落とし込んでいます。

普段からドリップ型のコーヒーをよく飲むんですけど、いつも使い終わったドリップバッグを見てると、どうしてもバッグにしか見えなくて、それがきっかけですね。このドリップバッグを日常のバッグに落とし込んだらどんな風になるんだろうと考えてデザインしました。

使い終わったコーヒードリップの形にレザーの風合いが重なって、作品に一味加えてくれると思っています。

制作中に苦労したことやこだわったところは?

いつもは、手書きでデザインを書きおこしますが、今回初めてCGを使ってデザインを作りました。なので、パソコンの操作が難しかったぐらいですね。

最終的には意外にいいデザインを描きおこせたので、今回このデザイン画で応募させていただきました。

実際にできた製品を見てどうですか?

正直、完成度の高さにびっくりですね。

少しは違ったものが出来上がって来るかなと思っていたんですが、結構忠実に・・・と言うか、思った以上の製品にしてくれて大変嬉しく思っています。革の重厚感とコーヒーの風合いも良く考えられて作られているなと思いました。ありがとうございます。

革コンに応募しようと思ったきっかけはなんですか?

この作品を作るにあたって素材はやはり革をメインにしたバッグにしようと考えていました。そう思ってコンペを探していると「革コン」のホームページを見つけ、ちょうど良いなと思い、応募させていただきました。

あなたにとってのレザーの魅力などありますか?

革独特の風合いや経年変化なども魅力ですが、デザインする中で生地では表現できない部分、特に革は張りがあるので、立体的な製品を構造する素材として、私の中では結構、重宝している素材の一つです。

今後の夢や目標など、ありましたらお教えください。

今、自分のブランドを立ち上げているところです。ブランド名やコンセプトなど、土台部分は出来上がっていて、もう一人知り合いのデザイナーとギャラリーを借りて展示会の準備をしています。今は、その作品作りに追われている感じですね。

コーヒードリップをバッグに見立ててデザインされた『DRIP BAG』は、職人によって素晴らしいサンプルとして再現化されました。自身のブランドを立ち上げられた阿部剛丸氏の活躍に今後も目を離せません。

南浴圭哉 氏

応募者が自ら製作する部門

プロダクト部門

最優秀賞

「Leather Fastener」

南浴 圭哉(ミナミサコ ケイヤ)氏

受賞した今のお気持ちをお聞かせください。

まだ、全然実感がなくて、早く地元に帰ってみんなに報告したいです。(笑)

今回、この『Leather Fastener』ともう一つ『Trunk-Chair』と言う、トランクバッグと椅子を掛け合わせたデザインの作品を出しています。二つのうち、どちらか賞が取れたらいいなーと思っていたら、まさか最優秀賞と佳作で二つとも賞が取れるとは、思いもよりませんでした。

作品についてご紹介ください。

革でできたファスナーになります。ファスナーなので、全てのパーツが一緒じゃないといけないので、業者に型を注文して、その型を使って形をくり抜きました。また、革の厚さも合わせないといけないのですが、革って自然な素材なので、厚みもそれぞれ違っていたので、そこが一番苦労しましたね。

長さも結構ありますよね?もっと短くしようとは思わなかったんですか?

最初は1メートルぐらいを考えて作っていましたが、思ったより迫力がなく、結局2メートルぐらいまで作ることになりました。(笑)

存在感や迫力はかなり出たかなと思っています。

革コンに応募しようと思ったきっかけはなんですか?

学校でレザーを使う授業があるので、その一環で出したのがきっかけになります。

あと、去年の最優秀賞を取られた方と実は同じ学校なんです。なので、今年も賞を取れたらいいなと思って、頑張ってみました。

他の方の作品で気になるものはありましたか?

『革灯』って言う革で作ったシェードが気になりました。ミシンとかで縫っているわけでもなく、ただ、革を吊るしただけのような感じですが、波打った形がそのまま床に光の形として表れている感じなど、ちゃんと計算されたデザインだなと思いました。

あなたにとってのレザーの魅力などありますか?

学校にもたくさん革があるので、普段からよくみているんですけど、生地と違って一枚一枚にそれぞれ特徴があって、色んな風合いを持っているのが使っていて楽しいです。私個人は、黒のスムースレザーなんかの柔らかいタッチの革が結構好きで、趣味でもがま口のポーチを作ったりしています。

今後の夢や目標など、ありましたらお教えください。

まだ、学生なので先々のことはわかりませんが、モノづくりを考える上で機能性とアートの両立を目指しています。

せっかく美術系の学校に入学したので、将来的にもそういった関連の仕事につけたらいいなとは思っています。

一切の妥協を許さない南浴圭哉氏によって作られた『Leather Fastener』は、驚くべきアイデアでアートとしての革の可能性を広げました。機能性とアートを両立させた作品づくりを楽しみにしています。

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